症例ブログ

【眼科】犬の角膜上皮障害(血管新生) 〜実際に受診された子たちのと眼の病気の紹介⑩〜

眼科特診ブログ⑩です! 

皆さん、こんにちわ。

 

りんごの樹動物病院、勤務医のコムラです。

 

今回も、当院の眼科特診を受診された子たちのひとりをご紹介していきます。

 

前回の角膜変性症に引き続き、

 

またこの病気予防が大事になってくるというお話しをしようと思います。

 

シー・ズーの子の角膜上皮障害

10才のシー・ズーの子です。

 

普段から涙やけで、目頭に皮膚炎を繰り返してしまう子で

 

定期的に病院で目頭の毛をカットしていました。

 

しかし今回は、皮膚炎ではなく

 

右眼の痛み充血を主訴に相談されていました。

 

検査の結果は、角膜上皮障害

 

原因と考えられたのは、

 

犬種がシー・ズーであるという回避できない要因と、

 

またあのマイボーム機能不全症が要因と考えられました。

 

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右眼 ~初診日~

結膜(白眼)の部分が充血し、

角膜表面の10時~4時方向から血管新生が起こっています。

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図で解説.~血管新生~

血管新生とは、

本来血管構造をもたない透明な角膜

結膜などの外部組織から血管が入り込んでくることです。

 

なぜこのように本来透明な角膜血管新生が起こるのか

 

多くの場合は、角膜上皮の障害治癒させるために発達してきます。

 

血管構造を持たない角膜は、

 

通常、涙液から栄養供給を受けています。

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右眼 ~3日目~
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右眼 ~11日目~
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右眼 ~17日目~
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右眼 ~31日目~

写真でははっきりと確認出来ませんが、

 

角膜の中心やや下方向に細かな角膜上皮障害があり、

 

結膜から伸びた血管が、

 

1ヶ月程度の時間をかけて徐々に徐々に

 

上皮障害のある部分まで到達し、

 

治癒するための栄養を供給してくれています。

 

本来ならば、

 

もっと障害部分と距離の近い

 

6時方向の結膜から血管新生が行われれば良かったのですが、

 

どうやら上手く血管が伸びず、

 

治癒に時間がかかってしまっているという状況でした。

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涙液を染めて、涙の流れを観察しています

目頭から毛をつたって

涙が溢れているのが分かりますね。

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前回に引き続きこの子も…

マイボーム機能不全症がありました。

前回の子に引き続き、

 

またマイボーム機能不全症が一つの原因だと考えられました。

 

その他にも、

 

眼に当たる毛をつたって溢れてしまい、

 

涙液角膜に留まらず、

 

ドライアイになってしまっている事も原因です。

 

大きな眼が特徴のシー・ズーであるため、

 

しっかりと瞬きが出来なかったり、

 

半眼を開いて寝ている事なども、

 

これらの病態を悪化させる要因となっているのです。

 

この子の場合も

 

しっかりと保湿の点眼薬

 

日頃にしっかりと瞬きをさせてあげる事

 

この2つが大切となります。

 

それでは、また次回に。

担当医

りんごの樹動物病院 | 愛知県安城市の動物病院です

滝山 直昭

Naoaki Takiyama

獣医師 / 医学博士 / アジア獣医眼科専門医 / アジア獣医眼科学会(AiSVO) /

アジア獣医眼科専門医会(AiCVO)Secretaryアジア獣医専門医協(AiBVS)Treasurer / 日本獣医眼科カンファレンス理事

▼プロフィール等はこちら

https://case.appleah.com/ophthalmology/

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