実際に眼科特診を受診された子たちの紹介
皆さん、こんにちは。
りんごの樹動物病院、勤務医のコムラです。
今回も眼科特診を受診した子をご紹介していきます。
右目
左目
今回の子は、
涙が多いとの主訴で受診されました。
動物病院では非常に多く聞かれる悩みですね。
どちらの写真も、
目頭の被毛が濡れているのがわかりますね。
この子の眼をもっと近くで観察してみると…
右目の目頭
左目の目頭
どちらの目にも、
目頭の皮膚から伸びる毛が入り込んでいるのが確認できました。
毛細管現象と言って、
習字などで筆先についた墨汁が吸われていくように、
涙が目頭の皮膚から伸びた毛に吸われていってしまう。
そのことで涙が増えたり、
目頭の被毛の涙焼けの要因となりえるんです。
ちなみに、
眼の表面にある角膜の傷を調べるときなどに、
よく使われるフルオレセイン染色は、
涙の流れを観察するためにも有用です。
・涙が多い
・目やにが多い
・涙焼けが気になる
などは、
動物病院でよく聞く相談です。
今回の子にもあったような要因は、
小型犬が多い日本において、
遭遇することの多い問題だと感じます。
「うちの子も涙焼けが…」
なんて思っている方がいたら、
一度動物病院へ相談してみてくださいね。
それでは、また次回に。
専門医
滝山 直昭
Naoaki Takiyama
獣医師 / 医学博士 / アジア獣医眼科専門医 / アジア獣医眼科学会(AiSVO) /
アジア獣医眼科専門医会(AiCVO)Secretaryアジア獣医専門医協(AiBVS)Treasurer / 日本獣医眼科カンファレンス理事
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