皮膚科担当 獣医師の近藤真名です。
今月も関口先生をお招きし、皮膚科特診を行いました。
今回は3つの症例を紹介します。
■ 皮膚症状の急激な悪化についてのご相談
種類:犬/ビーグル・避妊メス/17歳
主訴:1ヶ月前からずっと全身の皮膚症状があり、急に進行してきた。元気もない。
診断名:皮膚の状態や進行スピードから、皮膚型リンパ腫や免疫介在性の疾患が疑われる
治療計画:皮膚の生検を実施。腫瘍の場合は予後不良の可能性が高い。治療薬として、アポキルを使用。
皮膚の状態の変化や進行スピードに違和感をおぼえた場合は、早めに受診していただければと思います。
■ 左眼周辺の腫れとかゆみが気になるというご相談
種類:犬/柴犬・オス/13歳1ヶ月
主訴:2週間前から左眼周囲が腫れており本人も掻いている。散歩中に猫に引っ掻かれた可能性がある。抗生剤を飲んで今は徐々に改善傾向ではある。
診断名:節足動物(ダニなど)、猫などによるアレルギーや皮膚炎の可能性
今後の治療計画:抗生剤のみで経過良好なため、もう2週間継続していく。
痒みが残る場合はステロイドも追加していく。
毛の薄い顔は虫に刺されやすい部位ですので、
草むらなどに顔を入れて散歩させるのは避けましょう。
■ 皮膚をかきむしる様子が見られるというご相談
種類:犬/チワワ×トイプードル・オス/10歳
主訴:小さい頃から皮膚の痒みはあるが、最近かきむしるくらい痒がっている。
診断名:犬アトピー性皮膚炎疑い
今後の治療計画:痒みを止めてあげるアレルギーのお薬(ゼンレリア)の内服を開始し、経過を観察する。
もともとアレルギー性皮膚炎を持っている子は秋や春に痒みが悪化することがあるため、ひどくなるまえにお薬開始することを推奨します。
ひどくなってからだとお薬を飲む期間が長くなる可能性があります。
今回は、いずれも10歳以上のシニア犬の症例です。
わたしたち人間と同じように、加齢によって皮膚症状やトラブルが
あらわれる子も多くみられます。
皮膚疾患にはさまざまな原因が考えられますが、
なかでも水分量不足による「乾燥」は大きな要因といえるでしょう。
特に冬は、ワンちゃんが暮らすお部屋全体が乾燥しがちになります。
おうちでできるケアとしては、加湿器を使用して湿度を
適度(40〜60%程度)に保ちましょう。
また、栄養バランスを見直したり、シャンプーを月1回程度にしたり
といった対策もおすすめです。
ただし、今回の1例目の症例のように、皮膚の異常が
他の器官やホルモンからきているケースもあります。
高齢のワンちゃんの場合は、早期発見・早期治療がより大切になりますので、
違和感を感じた場合は、お早めにご相談いただければと思います。
りんごの樹動物病院の強みである総合診療。
皮膚に特化した皮膚科特診と、血液検査をはじめとするさまざまな検査を通して、
ワンちゃん・ネコちゃんの皮膚のお悩みの原因を特定し、
疾患の早期発見・早期治療に努めてまいります。
皮膚科特診は毎月第四火曜日です。
皮膚の症状についてご不安なことがございましたら、ぜひ気軽にご相談ください。
担当医
関口 麻衣子
Maiko Sekiguchi
獣 医 学 博 士
日本獣医皮膚科学会 / アジア獣医皮膚科学会 / 日本獣医学会 / 日本研究皮膚科学会
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