眼科特診ブログ④です!
皆さん、こんにちわ。
りんごの樹動物病院、勤務医のコムラです。
今回も10月に来た子たちのひとりをご紹介します。
今回は、新しくワンちゃんやネコちゃんを飼い始めた方々にも
注意してもらいたい内容となっています。
ミニチュア・ダックスフンドの子の外傷
1才のダックスちゃんです。
今回は、1年前に手術した眼の経過チェックで来院されました。
何の手術かと言うと、
【外傷】です。
目に限った事ではありませんが、
子供の頃のチャカチャカして落ち着きがない時期に
病院に来る理由でやっぱり、多いな~と感じます。
画像


どちらの眼が傷ついていたか分かりますか?
もし分かる方がいたら、恐らく眼について相当知識のある方なのでしょう。
ちなみに僕は分かりません。

これは1年前のこの子の左眼の画像ですが、
眼の内側がうっすら白くなっているのが分かるでしょうか?
ここに実は【バラの棘】が刺さっているのです。
お庭ではしゃいでいたら花壇に頭を突っ込んでしまい、
眼に棘が深く刺さってしまったとのことでした。

……傷はどこですか?という感じですね。
この画像の真ん中辺り(棘が刺さっていた部分)に
ぼんやりと白くなっている部分があるんですが、
これは角膜を通り越して水晶体についている傷跡なんです。
若くて元気な子ほど
好奇心旺盛で、エネルギーが有り余っているからこそ
こんな風に思いがけずケガをしてしまうことがあります。
この子の場合、角膜についた傷までであれば
1年経ってまでまた検査をする必要はありませんでしたが、
棘が深く刺さり、水晶体まで傷がついてしまったため、
注意が必要でした。
というのも、水晶体についてしまった傷は
後に【白内障】を引き起こしてしまう可能性があったからです。
幸いこの子は、濁りの拡大もなく経過順調で
元気に帰って行きました。
ちなみに、
最初の2枚の右眼と左眼の写真で
光を当てているのに右眼と比べて左眼の瞳孔が開いている
この事に気づけた方はいましたか?
これは傷ついた水晶体の傷がかなり内側にあるため
瞳孔を開く目薬を垂らして検査していたからなんです。
これに気づけた方はすごい観察眼を持っています!
それではまた、次回に。
担当医

滝山 直昭
Naoaki Takiyama
獣医師 / 医学博士 / アジア獣医眼科専門医 / アジア獣医眼科学会(AiSVO) /
アジア獣医眼科専門医会(AiCVO)Secretaryアジア獣医専門医協(AiBVS)Treasurer / 日本獣医眼科カンファレンス理事
▼プロフィール等はこちら
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